【ケルベロスの3倍!】開明獣|ヒト
古代中国で書かれた山海経。奇書の中の奇書でありネタの宝庫。奇妙奇天烈な生物のオンパレード。古代の人たちの想像力の豊かさをビンビンに感じることができます。その中から「開明獣」というちょっと変わった伝説の動物をご紹介。
開明獣
山海経によると、
崑崙の南淵の開明獣は体は虎、9つの人頭を持ち、東に向いて立っている。崑崙の天には9つの門があると言われ、門を守る神獣とされています。
山海経の海内西経には、
海内は崑崙あり、天帝の都を指す。広さは800里四方、大樹のような麦が生ず、9つの井戸、9つの門を有し、開明獣がこれを守る神々の集う地とされています。
また「荘子」に登場する「肩吾(けんご)」という神獣も門を守るものとされ、この開明獣と同一視されています。
彭の国の伝説
歴史書の「国語・鄭語」によると、
彭は殷に討たれて滅んだ。しかしその後、彭の末裔は南方に国を建てたという。そして、周の武王に従い、殷を討った。しかし結局、楚に滅ぼされてしまう。彭は楚が最初に得た国であった。
開明獣はもともと彭の災いの獣でしたが、蜀の始祖鱉霊(べつれい)に仕え、建国に寄与した。鱉霊はその功を讃えて、自らを開明帝と名乗りました。
一方で蜀の名君開明帝は死後開明獣になったとも言われています。
余話
開明獣は現代のゲームやマンガにも登場しています。例えば「モンスト」。台湾版の限定キャラとして追加されています。また、諸星大二郎のマンガ「孔子暗黒伝」にもちょっとだけ登場します。
しかし、両者とも開明獣の頭は1つ。絵にしてしまうとやはりバランスが悪いんでしょうね。さすがにケルベロスの3倍は盛り過ぎです。