【びっくら香】碧螺春|モノ

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中国では到るところでお茶のある風景に出会うことができます。茶館では多くの人がお茶を楽しみ、庶民の社交の場となっていたり、街中で太極茶道が行われていたりと日本と少し違ったかたちでお茶がよく親しまれています。今回は数ある中国茶の中でちょっとおもしろい逸話のある“碧螺春”というお茶をご紹介します。

碧螺春

碧螺春は中国十二銘茶の一つに数えられ、1000年の歴史を持つ伝統的な緑茶です。江蘇省の太湖の辺り、洞庭山一帯で栽培されています。そのため、別名を洞庭碧螺春とも呼ばれます。

茶葉は白いふわふわとした産毛に覆われ、カタツムリのように渦を巻いており、とてもいい香りがするそうです。中国内外で人気があり、太湖の洞庭山で栽培されている量を遥かに越える量が流通しているそうです。日本の魚沼産コシヒカリのようですね。安物には気をつけましょう。

逸話

清王朝の時代、当時の皇帝であった康熙帝が南巡した際、独特の香りのするお茶と出会いました。このお茶の名前を現地の人々に尋ねると「びっくら香」と答えました。康熙帝はそれを知るや、その名では聞こえが悪いと「碧螺春」に名を改めさせました。このお茶は皇帝に献上されるようになり、宮廷で飲まれるようになりました。しかし、その次の皇帝であった雍正帝の時代に、民のこと思って毎年の進貢を中止させたといいます。

 

この逸話以外にも様々な名前の由来があるそうですが、この康熙帝の逸話の知名度は中国では高く、碧螺春の付加価値を高めてるのかもしれません。

 

 


 

碧螺春 50g

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